幽界の方は、余計な仕事はしたくないと考える 自分が楽することを考える

☆ 1年後に問題が出てきました。
  全国から、注文が来るのですが、供給が多い状態です。
  ネット販売をしてもらえるため農家は、今まで以上に野菜を育てたのです。
〇 簡単ではないのですね。
☆ これも学びなのです。

幸 これ以上は、無理だ。
太 そうだな。
智 隣町にある大型スーパーに野菜を置いてもらえないかな。
幸 待ってくれ。
  俺たちは、農家だぞ。
  営業職じゃない。
太 スーパーに売り込むのは、農協の営業担当だ。
智 そうだな。

☆ Wさんに現状を説明しました。

智 隣町の大型スーパーに野菜を置いてもらうように頼めませんか?
渡 スーパーは、独自の仕入れ先を持っているので無理だと思います。
  供給を減らせばいいことです。
  農家の皆さんに説明します。
智 農家の方々は、頑張って生産量を増やしたのですよ。
  減らすのですか?
渡 そうです。
  それしか方法はありません。

〇 変な話です。
  頑張って生産しているのに減らすなんて変です。
☆ Wさんは、幽界の方で余計な仕事はしたくないと考えているのです。
  農家の方々の頑張りよりも自分が楽することを考えているのです。

☆ 智也さんが色々と考えているときです。
  変な噂が流れています。

父 智也、変な噂が流れているぞ。
  お前が、ドンドン生産しろと指示したのか?
智 そんなことは、言っていないよ。
父 農協は、皆にお前の指示だと言っているらしいぞ。
  手を引いたらどうだ。
智 農協に聞いてみるよ。

☆ 農協に聞いても「そんなことは言っていない」と言われました。
〇 簡単に量産できるのですか?
☆ 量産するために耕運機やトラクターを購入したり買い換えた人がいたのです。
〇 畑は、増やせないですよね?
☆ 後継者の問題などで使っていない畑が沢山あるのです。
〇 なるほど・・・

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☆ 農協で野菜の仕分けをしていたときです。
  年配の方に声をかけられました。

年 あんたが、ドンドン野菜を作るようにと言ったそうだな。
  作ったのに仕入れてくれないなんて変だよ。
智 僕は、そんなことは言っていません。
年 ネット販売の責任者は、あんただろう。
智 違います。
  責任は、農協です。

☆ 年配の方は、智也さんの言葉に不機嫌な顔をしてその場を離れていきました。
  太一君、幸太君がやって来ました。

太 智也、ドンドン生産しろと言ったのか?
智 そんなことは言っていない。
幸 噂になっているぞ。
  もう辞めよう。
智 皆が作った野菜は、どうするんだ?
幸 そんなことより辞めるのが先だ。
太 俺たちは、手を引くよ。
  皆のためになると思ったから、頑張った。
  喜ばれるどころか、文句を言われた。
智 俺は、もう少し頑張る。

☆ 幸太君と太一君は、あきれた顔をして離れていきました。
  週に一度の集まりも無くなってしまいました。

次回に続く

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