葬式を見て三途の川を渡っても自分の死を認めない人!SNS地獄12

地獄

命 怖くなり振り返り走り出した。
  一生懸命に走り後ろを振り返った。

E そんな・・・

命 すぐ後ろには、三途の川が流れている。
○ 逃げることができないんだ。
命 そうよ。
  川を見ながら、後ずさりして驚いた。

E 後ずさりした分、川が寄ってくる。
  渡るしかないのね。

命 覚悟を決め川に入った。
  川底には、パソコンやスマフォが落ちている。
  水の中なのに画面が光り文字が映し出されている。
  溺れそうになりながら、必死で泳いだ。
  向こう岸に着くと息を切らせながら、岩に座った。
  服が濡れていて重いだけでなく寒さに震えた。
  ブルブル震えながら周りを見渡した。
  手を振っていたお父さんとお母さんの姿はない。

E あれは・・・
  明かり。
  誰か居るんだ。

命 薄暗い中、遠くに明かりを見つけた。
  立ち上がり走り出した。
  一人の老人が、たき火をしている。
  息を切らせながら、老人に声をかけた。

E すみません。
  寒くて凍えそうなんです。
  たき火に当たらせてもらえませんか。
老 びしょ濡れじゃな。
  当たりながら服を乾かすといい。

命 たき火が暖かく落ち着いてきた。

E ここは何処ですか?
老 死後の世界じゃ。
E 地獄・・・
老 地獄ではない。
  天国と地獄の境目と言った方が分かりやすいかな。
E 死んだら全てなくなります。
  地獄や天国なんて無いと思います。
  私は、ここに居ます。
  死んでいません。
老 肉体はいずれ死を迎えるが魂は、死ぬことなどない。
  自分の葬式や仏壇を見たじゃろう。
  自分の肉体が死んだことを知らせるために行われるのが葬式じゃ。
  魂だけになると生きている人間に声をかけても聞こえない。
E 私、死んだのですか?
老 そうじゃ。
  肉体が死んだんじゃ。
  魂は死なない。
  そなたが渡ってきた川は、三途の川。
  聞いたことがあるじゃろう。
E 死んだ人が渡る川・・・
老 そうじゃ。

命 物が全てで死んだら無になると考えてきたEさんは、老人の言葉が信じられない。
○ 無になることがなく自分がいるからだね。
命 そうよ。
○ 葬式を見て三途の川を渡ったのに信じられないんだ。
命 そんな人が沢山いるの。
○ 学校で教えてくれたらいいのに・・・
命 無理だって知っているでしょう。
○ ・・・
命 歯がゆく思わないで。
  Eさんは、学んでいるのよ。
○ そうだね。

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