肉体は死んでも魂は、永遠に生きている!頑固に気がつかない5

がん

桜 歩いても歩いても誰も居ない。
  大声で叫んでも返事は来ない。
○ 俺も同じ事をした。
  間違いに気がついて反省しなければ、孤独地獄から出ることは出来ない。
桜 そうね。

桜 Jさんは、諦めて歩くことも叫ぶことも止めた。
  寒いため座り込んで膝を抱えた。

J ここは何処なんだ。
  何故、誰も居ないんだ。

桜 これまでのことを思い出し始めた。

J 俺は、がんになり病院のベッドで横になっていた。
  上から、横になっている自分を見た。
  俺はここに居るのに葬式が始まった。
  話しかけても誰も返事をしなかった。
  Kの家に行った。
  親友だと思っていたのは、俺だけ。
  川、親父。
  溺れた。
  気がつけば、ここに居る。

桜 Jさんは、一生懸命に考えた。
  そして○○の書いた本とブログに書かれていたことを思い出した。

J 肉体は死んでも魂は、永遠に生きていると書かれていた。
  死んだ自分を見下ろす。
  川。
  あの川は、三途の川。
  カライナイが落ちた地獄は、孤独地獄。
  同じだ。
  ここは、孤独地獄なんだ。

○ 気がついたんだ。
桜 うん。
○ 3次元の時間で計ると、どれくらいの月日が経ったのかな?
桜 20年よ。
○ 20年分の経験をしたんだ。
  気がつくのが遅いと思う。
桜 そんなことないわ。
  肉体に宿っていないから、歩いても疲れないし食事もいらない。
  眠る必要もない。
  テレビで武士の霊がさまよう話を聞いたことがあるでしょう。
  数百年間さまよっている。
○ 短いほうなんだ。
桜 そうよ。

桜 Jさんは、カライナイの書いた文章を思い出し何が間違えているのか考えた。

J 頑固な人は、がんになる。
  Kも俺のことを頑固だと言っていた。
  自己中心的な思いを人に押しつけたからだ。

桜 生きていたときのことを思い出し反省した。
  そして頑固な考えを押しつけてきた人に謝った。
  すると上から光が差してきた。
  Jさんは、光を見つめる。
  光が大きくなってくる。
  光っていたのは、翼のある天使。
  天使は、笑顔で手を差し伸べた。
  天使と手をつなぐと上へ上へと舞い上がっていく。
  眩しくて目を閉じた。

父 お帰り。

桜 ゆっくりと目を開けるとお父さんが笑顔で立っていた。

J 親父。
父 地獄は、辛かっただろう。
J 気が狂いそうだった。
  ここは何処なんだ?
父 思い出してみるんだ。
  お前は、ここから地上に降りた。
  ここは天国だ。

桜 これでJさんの話は、一区切りよ。
○ 俺の書いた文章が役に立つなんて思わなかった。
桜 多くの人の役に立つために書いているんでしょう。
○ うん。

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