特別な場合を除いて病気で死んだら、地獄に落ちる!長生き14

健康

桜 気がつけば一週間が経っていた。
  二人は、疲れ果てていた。
  そんな二人に一生懸命に声をかけるけど声は届かない。

E もういいの。
  私の体に付いている機械を外してちょうだい。
  二人を見ているだけで辛い。

○ Iさんは、カライナイの本を読んでいるんだよね。
  気がつかないんだ。
桜 気がついているわ。
  カライナイの本を読んだことで何が起こっているのか知っている。
  それは、知識なの。
  死の直前を経験しているのはEさんよ。
  Iさんが経験しているわけじゃない。
  もしかしたら目を開けてくれるのではと思っているの。
  希望を捨てたくないの。
  亡くなるには早すぎだと思っている。
○ 冷たいと思われるかも知れないけど・・・
  死にたいのに死なせてくれない。
  身動きも出来ない辛い状態が続いている。
  肉体は死んでも魂は死なない。
  苦しい時間を過ごしている。
  解放してあげたい。
桜 そうね。

桜 Iさんは、確認すすため「死の直前」を読み返した。

I やっぱり間違えている。
  お母さんに苦しい思いをさせている。
  一番辛いのは、お母さんなんだ。

桜 Iさんは、Fさんに「死の直前」を読んでもらった。
  本を読みながら、Fさんの目から涙がこぼれた。

I 俺が何を言いたいのか分かるよな。
F うん。
  機械を外さないとお母さんが苦しむだけ。
I そうだ。

○ 早く気がついて欲しかった。
  少しホッとした。
桜 倒れてから、10日目よ。
  脳梗塞で倒れたKさんを思い出して。
  一ヶ月以上、医療機器を外さなかった。
  ○○の書いた「死の直前」を読んでいたからこそ10日で決断した。
  似たような方々と比べてかなり早い決断なの。
○ 書いた事が役に立っているんだ。
桜 勿論よ。
  これが○○の使命でしょう。
○ うん。

桜 機械が外され肉体は死を迎えた。
  葬式には、これまで教えてきた料理教室の生徒が沢山来た。
  自分の葬式を見て肉体が死んだことを認めた瞬間、暗くなった。
  目を開けると砂漠のような場所に居た。
  しばらくすると風景が変わり岩だらけになった。
  他にも人がいて何かを探している。

E ここは、どこかしら?
  皆何を探しているのかしら?
  喉がカラカラ。

桜 様子を見ていると砂地に小さな水たまりが出来た。
  それを見つけた人が駆け寄ると水たまりが消える。
  Eさんは、皆が探しているのが水だと気がついた。
  風景が岩場に変わるとよじ登り水が溜まっていないか探す。
  多くの人がいるのに誰も話をしていない。
  水を探すのに夢中になっている。
  喉が渇いて痛くなってきた。
○ 地獄なんだ。
桜 うん。
  特別な場合を除いて病気で死んだら、地獄に落ちる。
  苦しい、痛い、辛いなどは、地獄なの。
  天国では、辛いことなどないの。
○ うん。

○ もしかして灼熱地獄?
桜 一般的に言われているのが、焼けるような熱さの地獄。
  ここも灼熱地獄の一部。
  喉が焼けるように渇くところ。

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