三途の川の向こう岸に居たお婆ちゃんは帰れという!12

死の直前

桜 Cさんは、規則正しい生活を送りながら、カウンセリングを受ける。
  カウンセラーの林さんとの会話。

林 どうして自殺しようとしたの?
C 二人の男性に裏切られた。
  Rさんと同棲していたときが一番楽しかった。
  Rさんが転勤になった事で遠距離になって振られた。
  仕事を辞めて付いていけばよかった。
  次のGさんは、女癖が悪かった。
  生きていても楽しくない。
  心の中で声がする。
  死んだら楽だって言う。
林 死んだら楽しいことを経験できないわ。
  変な声に騙されているのよ。
  話す相手は、生きた人間よ。
  声が聞こえても相手にしないで下さい。
C はい。

林 初めての人と結婚する人もいる。
  何度も振られたことで異性の気持ちが理解できるようになり結婚する人もいる。
  人それぞれ違う。
C 私も結婚できるかしら?
林 勿論よ。
  Cさんは、美人だから大丈夫。
C ホント?
林 大丈夫よ。

桜 これで話は、終わりよ。
  Cさんは、自殺未遂を経験した。
  死の直前の経験が自殺未遂。
  自分は駄目な人間だと思い自分を責めるのが自殺の原因。
  死ぬことはなかったけど経験できた。
○ 待ってよ。
  確かに死の直前の経験を話して貰った。
  中途半端な話になっている。
  Cさんは、結婚できるのかな?
桜 うん。
○ 結婚までの話を聞きたい。
  読者の皆さんも同じ思いだよ。
桜 分かったわ。
  本題から外れるけどいいの。
○ うん。

桜 薬を飲んでカッターで手首を切った時の話。
  ぼーっとなり意識が薄れていく。
  水の流れる音で我に返った。
  目をこらすと川が流れている。
  広い川で向こう岸まで距離がある。
  向こう岸に人が立っていることに気がついた。
○ 三途の川?
桜 そうよ。

C お婆ちゃん。
婆 来たら駄目よ。
  帰って。
  ここに来るのは、60年早い。
C ・・・

桜 気がついたのは、病院のベッドの上。

母 目が覚めたのね。
  良かった。
C お婆ちゃんが来たら駄目だって。
父 お婆ちゃんに会ったんだ。

○ 三途の川でお婆ちゃんに会ったことを覚えていたんだ。
桜 死に直面したからよ。
○ 三途の川が見えた時って生死をさまよっているんだ。
桜 そうよ。
○ 生きるのか、死ぬのかを決めるのは、誰?
桜 本人よ。
  死ぬことを諦めさせるためにお婆ちゃんが出てきたの。
  大好きだったお婆ちゃんの言う事に従ったの。
○ 分かった。

○ 以前にも聞いたけど全ての人が三途の川を渡らないんだよね。
桜 殺人者などは、一瞬で地獄に落ちる。
  ○○は、亡くなったときどうなると思っているの。
○ 答えは、二つある。
  一つは、使命を果たせなかったとき一瞬で地獄に落ちる。
  もう一つは、一瞬で天国のある場所に帰る。
桜 ある場所って何処。
○ 今の俺には、分からない。
  でも帰るところがある事を何故か知っている。
  潜在意識かな?
桜 そうね。
  どちらにしろ○○は、三途の川を渡らない。
○ そうだと思う。

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