桜 Hさんは、時間があればBさんの事を考えている。
ウエディング衣装を着てBさんと結婚式を挙げる自分。
子供が生まれることも想像している。
○ 付き合ってもいないのに・・・
桜 そうね。
桜 Bさんは、人の気配を感じるようになった。
誰もいないはずなのにと思いながら、部屋中を見回す。
トイレもバスルームも確認したけど誰もいない。
ベッドに入り目を閉じたけど眠れない。
目を開けると側に黒い影が見えた。
飛び起きると誰もいない。
今までは電気を消して寝ていたけど怖くなって電気を付けたまま横になった。
○ 常にBさんの事を考えているHさんの生き霊。
桜 そうよ。
桜 同じ事が続いた。
眠っていたとき声がした。
「Bさん」と呼ばれ目を開けると一瞬だけどHさんの顔が見えた。
○ 生き霊は、Hさんと同じ姿をしているんだよね。
桜 うん。
Hさんの執着が凄いから、霊感が弱いBさんにも生き霊が見えたの。
桜 怖くなったBさんは、Hさんから逃げる方法を考えた。
B 彼女がいれば諦めるけど・・・
そうだ。
同期のLさんがいた。
桜 Bさんは、Lさんに告白しようかと迷っていたとき支店に転勤した。
○ 同じ会社だから、勤務地が違っても告白できるよね。
桜 本社と違い限られた人数で業務をこなすから、とても忙しいの。
それに単身赴任の人が多いから、飲み会が多い。
忙しさでLさんの事を忘れていった。
○ なるほどね。
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桜 SNSを使いLさんに連絡した。
B 部署が離れていて話をしていない。
元気かな?
桜 1時間が経っても返事が無い。
誰かに相談しようと考えていたとき返事が来た。
L 返事が送れてごめん。
断捨離していたの。
私は元気よ。
桜 話を省略する。
Lさんが、誰とも付き合っていないことが分かると食事に誘った。
告白して付き合うことになった。
休みの日、デートを楽しんで帰宅するとHさんが部屋の前に立っていた。
楽しい思いが恐怖に変わった。
H お帰りなさい。
ご飯を作る。
B ごめん。
彼女と食事をしてきた。
悪いけど、もう来ないで欲しい。
桜 Hさんの目から涙が溢れ出した。
両手で顔を覆い走り去っていた。
○ もっと早くHさんに来ないでと言えばよかったと思う。
桜 それは、○○の考えでしょう。
Bさんは、幽界の上段の魂レベルなの。
Hさんは、自分のことだけを考えBさんは、相手のことを考えた。
相手のことを考える魂レベルの人は、断ることが苦手だと知っているでしょう。
○ 分かった。
次回に続く