老 落ち着いたようだな。
E はい。
服も乾き震えも治まりました。
ありがとうございます。
これからどうすればいいのですか?
老 すぐに分かる。
命 老人がニコリと微笑んだ瞬間、場面が変わった。
お父さんとお母さんだけでなく先に亡くなった人達がEさんを見つめています。
光り輝く人が近づいてきた。
○ 天使だね。
命 うん。
天 これまでの人生を振り返って見てもらいます。
見た後、自分の行き先を決めて下さい。
命 Eさんは、何を言われているのか理解できません。
突然、空間に生まれたばかりの自分が映し出されました。
自分が忘れていた事も映し出されるだけでなく思ったことも言葉になります。
突然、映し出された動画が止まりました。
天 ここからが大事なところです。
よく見ていて下さい。
死の直前 (紙の本)
死の直前 (電子書籍)
命 映し出されたのは、ヘイトスピーチをしている自分です。
書いた文字も大きく映し出された。
自分のやったこと、そして思ったことが皆に知られた。
恥ずかしくて手で顔を覆った。
目を閉じているのに映し出されるのが見えて聞こえる。
葬式が終わり三途の川を渡り老人と会話してこの場に来たのが映し出され動画が終わった。
その場にいるのが恥ずかしくて逃げ出したいと思った瞬間、場面が変わった。
命 薄暗くて寒い場所。
E 私・・・
恥ずかしい。
やった事は、誰にも知られないと思っていた。
寒い。
運(運気を上げる方法) (紙の本)
運(運気を上げる方法) 電子書籍
命 周りを見ると数百人の人がパソコンやスマフォを覗き込んで悲しい表情をしている。
勇気を出して声をかけた。
誰も返事をしない。
人々は、Eさんの存在に気がつかない。
E 葬式の時と同じ・・・
命 空いているパソコンを覗いてみた。
E これって私が書き込んだ文章。
命 Eさんは、人々が見ている画面を覗き込んだ。
内容は、自分が書いた文章。
驚き言葉が出ない。
E 私が書いた文章を読んで悲しんでいる。
憂さ晴らしで書いただけなのに多くの人に悲しい思いをさせている。
ごめんなさい。