桜 Eさんは、仕事を辞めレストランでアルバイトを始めた。
当時では、珍しいイタリアンのお店。
初めは、皿洗い。
半年後には、食材の下ごしらえ。
これまで家事をこなしてきたため苦に感じることはない。
オーナーシェフのKさんは、Eさんを軽く見ていた。
ベテランの主婦に思えた。
手が空くとKさんは、Eさんを見ていた。
○ 桜、ちょっと待ってよ。
いきなり仕事を辞める?
変だよ。
省略したんだ。
桜 うん。
省略した。
桜 簡単に説明する。
これまでも話してきたこと。
ひらめきは、守護霊からのメッセージだと気がついて下さい。
○ 分かった。
K Sさんは、何歳だったかな?
S もうすぐ25歳です。
K 仕事ぶりを見ていたら、ベテランの主婦のようだ。
S 私は、6人兄弟の一番上なんです。
忙しい両親に代わって家事をしていました。
K 偉いな。
S いえ、当然のことです。
桜 Kさんは、毎日、Sさんを見守っています。
1年後、料理を教え始めた。
○ きっと上手だよね。
桜 そんなことないの。
扱ったことのない食材が多いのよ。
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K 駄目だ。
焼きすぎだ。
食べてみるんだ。
E はい。
桜 食べてみたら、美味しく感じます。
E 美味しいと思います。
ステーキを初めて食べました。
鶏肉よりとても美味しいです。
K 初めてステーキを食べたのか?
E はい。
初めてです。
我が家で肉と言えば、鶏肉です。
K 牛肉は、他の肉と違い焼き加減が大事なんだ。
勿論、スパイスやソースも大事だ。
E はい。
K 見ているんだ。
E はい。
桜 Kさんは、肉を焼き始めました。
焼き上がった肉を盛り付けました。
K 食べてみるんだ。
E はい。
桜 食べてるとEさんの表情が変わりました。
E 美味しい。
こんなに美味しいものを食べたことがありません。
K そうなんだ。
とても美味しそうに食べてくれて嬉しいよ。
桜 Eさんは、食べ終わると丁寧に頭を下げお礼を言いました。
E シェフ、ごちそうさまでした。
私もシェフのようになりたいです。
美味しい料理をお客さんに食べてもらいたいです。
K 料理学校に通って多くを学ぶ事だ。
E ・・・
K どうしたんだ。
学びたくないのか?
E ・・・
料理学校派の学費を支払うことが出来ません。
まだ実家に仕送りをしています。
私には、学費を払うことが出来ません。
桜 Eさんの言葉にKさんは、笑顔で応えます。
K 今までのように仕送りをするんだ。
学費は、私が立て替える。
出世払いだ。
E ・・・
甘えていると思います。
K 甘えではないぞ。
出世払いだ。
出世したら、返してもらう。
E はい。
桜 読者の皆さん、前置きが長いと思うかもしれませんが必要です。
Eさんになったつもりで話を聞いてくれたら、嬉しいです。
○ 俺は、Eさんになったつもりになれないよ。
25歳の時、遊ぶことしか考えてなかった。
桜 いいから、なりきって。
○ 分かった。