桜 歩いていると遠くに明かりが見えます。
走り出しました。
これまでと違い20人ほどの人がパソコンに向かっています。
4台のパソコンが空いています。
スマフォの明かりを頼りに歩いてきた男性が、座るとパソコンを操作しています。
A 俺と同じだ。
桜 少しだけ地獄になれてきた。
皆の顔を見るとニタリと笑う人、恐怖に怯える人、無表情でキーボードをたたく人。
イスに座るとパソコンにメールが届きました。
税務署からです。
母と娘の課題 ペーパーバック(紙の本)
母と娘の課題 Kindle版(電子書籍)
A え!
これって俺が書いていたメール。
何故、俺に届くんだ。
何処のサーバーを使っているんだ。
桜 送られてきたアドレスを調べます。
A 俺が使っていた×国のサーバーだ。
何故、俺に届くんだ。
桜 得意のパソコンを操作していろいろと調べます。
A 変だ。
俺が知っている知識が通用しない。
桜 一人の女性が、自分を見ている事に気がつく。
女性がマウスをクリックした瞬間、パソコンにメールが届いた。
内容は、出会い系サイトからの誘い。
Aさんは、不審に思い女性に確認した。
A 何をやっているんだ。
女 友達とメールをしている。
A 見せてくれないか。
女 嫌。
桜 仕方なく自分の席に戻った。
周りを見ていると誰かを見ながら、マウスをクリックしている事に気がついた。
別の女性が、自分を見ながらマウスをクリックした。
メールが届いた。
Aさんは、女性の元に行き確認した。
お金の亡者(紙の本)
お金の亡者(電子書籍)
A 見せてくれ。
女 嫌です。
桜 マウスを取り上げ送信メールを確認した。
A お前が、俺にメールを送っていたんだ。
女 ・・・
A 送られた俺は、嫌な気分になる。
URLが貼り付けられた文字をクリックすると詐欺サイトに行くんだ。
お前に恨まれることはしていないぞ。
女 多くの人を騙せば此処から出られると聞いた。
だから皆同じ事をしている。
自分のアドレス帳の相手に送っても戻ってくる。
これまでの相手には、送れない。
観察していたら、相手の顔を見ながら送信ボタンを押すと送れる事に気がついた。
来たばかりだから、分からないのね。
観察したら、分かる。
皆同じ事をしている。
ここが何処なのかも知らない。
こんな所は嫌。
暗くて寒いし寂しい。
まるで地獄。
A ・・・