桜 目の前に映像が映し出された。
驚きながらも映像を見ている。
妻のKさん、長女のIさん、次女のHさんが仏壇に手を合わせている。
仏壇には、自分の写真がある事にショックを受ける。
○ 桜・・・
何が起こっているんだ。
桜 お墓と仏壇の話を思い出して。
お墓は、小さな地獄。
○ 大きな孤独地獄とも繋がるんだ。
桜 うん。
桜 お墓と仏壇を読まれていない読者の皆さんのために簡単に説明します。
お墓と仏壇は、数百年前に中国から伝わってきました。
亡くなった方が、生きている人間に憑依したり悪さをするのに人々は困っていました。
偉いお坊さんがお墓を作り悪さをする霊をお墓にいれ封印しました。
封印された霊は、仏壇を通し子孫の生活を見ることが出来ます。
子孫の生活を見て自分の過ちに気づく事で成仏します。
詳しく知りたい方は、○○の書いた「お墓と仏壇」を読んで下さい。
お墓と仏壇 (紙の本)
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○ もしも地獄に落ちた人が生きている人達を見ることが出来なかったら、永遠に地獄にいるんだ。
桜 そんなことないわよ。
神様は、必ず救いの手を差し伸べる。
話が長くなるだけでなく本題から外れてしまう。
機会があれば、話すことになる。
○ 分かった。
S 仏壇に俺の写真。
俺は死んだのか?
いや、死んでいない。
俺はここにいる。
死んだら、全てが無になるはずだ。
俺は生きている。
桜 映像だけでなく声も聞こえてきました。
K お父さん、天国で幸せに暮らしていますか?
もっと長生きして欲しかった。
I お母さん、もう泣かないで。
K 分かっているけど・・・
H 寂しいけど私達がいる。
K そうね。
桜 Sさんは、自分が死んだことに納得していない。
俺は、ここに居るぞと大声で叫んだ。
S 母さん、俺はここだ。
I,H、ここに居るぞ。
桜 大声で叫んでも3人には聞こえない。
Sさんは、家族が寝静まっても映像を見ている。
時間が経つにつれ現状になれてきた。
S 分からない事ばかりだ。
俺の仏壇があると言うことは、死んだんだ。
しかし、俺は、ここに居る。
映像を触れないし声をかけても返事がない。
皆が寝ている間も映像を見ている。
ここに来てから、眠っていないだけでなく食事もしていない。
投薬の辛さも痛みもない。
俺は、死んだのかも知れない。
死んだとしたら、ここは何処だ?
桜 以前に読んだ本に天国は、お花が咲いていて綺麗なところと書かれていたのを思い出した。
地獄は、辛いところと書かれていた。
S ここは地獄なんだ。
俺は、地獄に落ちるほど悪いことはしていない。
桜 これまでのことを振り返るけど地獄に落ちた原因が見つからない。
○ がんで亡くなったら、地獄に落ちる事を知らないんだ。
桜 多くの人が知らない事よ。
がんになった原因が答え。
○ 頑固だから、がんになり地獄に落ちた。
浅い地獄だよね。
桜 ○○が落ちた孤独地獄と比べたら、浅い。
浅くても辛いの。
○ 分かっている。