桜 お墓から、自宅に戻ってきた先祖達は、怒った。
姑も怒っている。
○ 姑もお墓に居たんだ。
桜 Cさんの家計で天国に帰った人はいないのよ。
○ そんな馬鹿な・・・
桜 亡くなったら、お墓に帰ると教えられてきたことが原因。
祖母が亡くなったとき迎えの天女が来た。
帰る先は、天国だと説得されたけど従わなかったの。
夫のいるお墓に止まった。
あの世に対する知識がなかったため天女の言う事を信じられなかった。
迎えが来ても帰らない人がいるの。
○ 死んでも無にならなから、お墓に居るんだよね。
桜 肉体を失ったことに薄々感じている。
理解するまで時間がかかるの。
○ うん。
桜 怒った先祖達は、姑を責めた。
お前がちゃんと教育しなかったからお供えをする事が出来ないと言われた。
○ Cさんの指示で簡素化したのに・・・
責める相手が違う。
桜 初めに責めたのは、曾祖母。
そして祖母。
責める相手は、誰でもいいの。
○ そうなんだ。
桜 送り火が終わった。
忙しい思いをしたLさんは、ソファーに座り込んだ。
お供え物を簡素化したのに接客の疲れは同じ。
一つだけ変わったことが起こっている。
先祖達に責められた姑は、自宅に残ってLさんに憑依した。
○ お墓に帰ると皆からイジメられるからだね。
桜 そうよ。
教えた事を守らない事にも怒っている。
○ 話が逸れるけど・・・
桜 言いたいことは言ってもいいのよ。
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○ 先祖達は、お供え物を食べることが出来ない。
お供え物がなくてもいいとおもう。
桜 昔からやって来たことだからね。
食べられなくてもお供え物が必要なの。
○○が思っているとおりよ。
○ 生きた人間のお金儲け。
桜 そうよ。
○ いつの日にかお盆もなくなるんだよね。
桜 ハッキリとしたことは言えない。
簡素化されているのは、事実よ。
桜 話を戻すわね。
○ うん。
桜 姑に憑依されたLさんは、体が重いだけでなく疲れている。
ソファーで寝てしまった。
目が覚めたのは、翌朝。
重い体を起こし仏壇にお茶を供えて手を合わせた。
それを見ていた姑に変化が出てきた。
姑 疲れているのにちゃんとやっている。
今思えば、大変だった。
桜 姑がLさんに感謝した瞬間、上から光が差してきた。
天女が舞い降りてきた。
驚きのあまり声が出ない。
天 感謝の気持ちは大切です。
さあ、帰りましょう。
姑 私・・・
先祖様がいるお墓に帰りたくありません。
天 帰るのは、お墓ではなく天国です。
姑 天国?
天 あなたが生まれる前に居た所です。
さあ。
桜 不思議な安心感があり差し伸べられた手を握った。
そして空へと舞い上がっていった。
これでお盆の話は、終わりよ。
○ うん。
ありがとう。